青木哲也、 1.はじめに 今回のトーナメントは、僕とって意味のあるトーナメントでした。 トーナメントに参加するべきか否かを随分と悩み、様々な思いが交錯する中で 最終的には、参加を決意しました。 実を言えばトーナメント数日前迄『参加できないな・・・』と言 う気持ちになっていたのでした。その説明し難い理由を掻い摘んでお話すると以下のようなことに なると思います。 チームの皆さんもご存じだとは思いますが、私の親友であり、マッディーズにとって無くてはならない 存在であった小久保恵一さんが亡くなってしまいました。悲しいなんて言葉だけでは表現できない位 のショックが自分に押し寄せて来ました。 同時に無気力になっている自分に気づきました。 バス釣りを、増してや、トーナメントにやっている時は、全てを忘れてバスを取り巻く状況だけを考え 釣りから得られたデータから今、そして次の展開を考えて行動を修正してゆく。 精一杯やって、自分が掴んだパターンを百目鬼ちゃんとか西野さん、毎度、お世話になっている?大川 さん、そして小久保ちゃんに話を聞いて貰い、彼らに怪しい情報を与えることが何より楽しかったのです。 また、突き詰めつことに関しては、天下一品の富永さんや市塚さんに代表されるシビアな目を持 った人たちに自分とは違う視点を提供して貰うことが勉強にもなり、喜びにもなっていた。 もしかしたら、釣り好き人間じゃなっくなっていて、釣りプラス仲間とのコミュニケーションが大好き なだけなのだったかも知れない。 自分への影響が大きかったかったことが、自身でも判ってしまうくらい僕の動揺は大きかった。 そんな状態で自分として考えたことは、『人それぞれの感じることがあると思うが、自分の心を逆撫で する様な言動があった場合には、例え、仲間と言えども我慢するだけの自信がない』 『自分を知っている人の多くは、“バス馬鹿てっちゃん”のイメージが強いであろう。みんなにも、 そう思っていて貰いし、そんな自分でありたいと思うだけに、こんなヤル気のない姿を見られ たくない』『でるからに勝ちたい。勝つためのパターンを掴みたい。勝っても負けても納得できる トーナメントをしたいのだが、今は頑張れそうにない』。そんな気持ちが交錯して、でる気がしなかった。 そのあと、悩んだ挙げ句に出場することには、したんだけど理由が内緒です。 2.トーナメント報告 プラでの状況は、一言で言えば「釣れました」です。ただ、結構 癖があってポイントがピンになっているので、その近くで釣っていても釣れる人と釣れないひとの差が大きかった。 活性に関しては、私がプラをした西岸中下流域は、バスが広範囲に散ってベイトを追い回しているという 様な状況ではなく、ストラクチャにピッタリ付いていて極々近くを通過するルアーに対して 積極的にバイトしてくるといった感じだった。ですから、以前のプラやプライベートフィッシングシュ で得た情報をもとにスポーニングエリア付近のストラクチャ(休憩場所)に狙いを絞った。 因みにプラでは、ピンにさえ入れてやれば、バイトを取るつもりで投げていた ジャンボグラブのマス針チョン掛けでも平気で乗ってきた。 みんな中型だがプリプリのいいバスばか りで個人的には楽しむには充分なファイトを見せてくれる。 トーナメント当日は、真っ先に水原エリアに向かった。 プラと同様にヘビキ ャロで鬼の様にバイトのあったポイントを通過させても全くアタリがない??? ポイントを確かめシンカーの飛んだ距離を確認し、シンカーが軽い根掛かりをした場所を確認しても、 やはり、前日と同じとポイントに入っていることは判った。 やばい、バスが動いた!!!・・・でも、そうなのである。 近くいるのか、 大きく移動したのか判断しなければならない。 大きく移動したのであれば、水原に限らず私が狙いを 付けていたポイントは全て×になってしまっている恐れがある。 小さなパニックが頭の中に発生し、しばし冷静な判断をすることが出来なくな った。何を考えたのか、私は手っ取り早くバスを取ろうと全くプラでやらなかった水原の石積み廻りをダウン ショットでネチネチやり始めた。ギルらしきバイトはあるがフッキングできない。 こんな事していていいのか ?と思いつつもフックにはボディーシャドの3インチを付けて必至こいていた。(ああ情けね〜) 既にキーパー2本を揃えて楽勝モード釣りをするヒロポン(彼は、怪しい白いスラッゴーで釣っていた) に見守られながら巨ギル2本を釣ったあとに釣れてきたのは、前日とはまるでコンディションの違う ゲロ痩せ状態のアフターバスが釣れてきた。40cm位であったが700グラム。なんじゃこいつは? 余りの違いに最初のキーパーを得た喜びも束の間、何か間違っている・cAとを認識させられた。 昨日から大きく変わる要素は、まだない筈だ。 だとすれば回遊バスでない限り昨日の場所付近にいる筈だ。 そもそもスポーニングがらみのバスを釣っているのに、回遊は関係ないのである。 もしかしたら、よりナーバスになっていてより繊細なワームまたはリアクショ ンバイトを誘わないとダメなのか? 思って見たことを確かめることにした。 ここ水原では活性が高まると 手前の石ころにバスが付く。 バイブレーションやダウンショットで容易に取れるポイントである。 ところが、その両方とも一般バサーがやっているのに全く反応していないようである。 前日のポイントを再度チャレンジしてバイトのないことを確かめると、今度は 石積みから伸びる舟道にを狙いにいった。 ちょっとしたボトムの変化があるところでステイ、前日の ようになるべくルアーが移動しないように注意しながら乗り越えた時にバイト。 ハッキリした気持ち のいいバイトに「いるじゃん 」とニンマリしながらフッキング。 あがってきたのは、ファーストフィッシュとは正反対のコロコロのバス。 サイズはないがプロポーションはGOOD。ウェイトは800グラムほどであったが、僕の活性は俄然あが ってしまった。このとき使っていたのは、ゲーリースーパーグラブであったのだが、ジャンボ にいきなりチェンジ!舟道の中を嘗め回す(ちぇっとH?)ストラクチャなどボトムのより変化の大 きいところでステイしてなるべく移動距離がないように乗り越えさせ、またステイ。なにもないとこ ろでは、多少早めのズル曳きを繰り返した。2回の明確なバイト→ミスフィッシュ(ヘタクソ!)の あとで、コツン、グーとジャンボグラブを持っていく奴があった。フキングすると重い。 あぁ結構いいサイズだなと思ってやり取りしていると、 廻りの人たちが「でかいぞ〜 」と騒ぎだし、多少のプレッシャー。 あがったバスを見て、見物人はお祭り状態。見せて!何で釣ったの?・・攻撃 されまくり。僕の方は、サイズを確かめようとウェイトを一瞬思ったが1キロ秤しかないのデチュ。 今年になってから、2キロ秤を持ってくるべきだっと反省させられていること が多い。(かなり自慢で・・・・・もある) その後であるが、ライブウェルに入らないのである。(今年3回目)凄〜く悲しかったが ウェインに一旦向かうことにした。 本音で言えば、800フィッシュをここで捨てて(入れ替えて)、 マリーナまたはD水門および矢幡ワンドで入れ替えを行って余裕モードで中里または志崎 にいこうかな?と思っていたんですが・・・。水原で考えた即席のスケジュールすらも変更せざるを得なくなった。 一回目のウェインで市塚さん(兄)がキロを既に数本持ち込んでいることを聞かされ、 800を絶対にキロに入れ替えなければ!という思いが強く襲ってきた。 2本のトーナメントでLARGE/MIDDLEまたはMIDDLE/MID DLEならば○だが、1本目と2本目の魚には、余りにもウェイトに差があり過ぎる。 そんなこと考 える必要も本来ならないのかも知れないが、LUCKEYで勝つのは余り嬉しくない。 それからは、水神→中里→須賀→中里→居合をここぞと思うポイントで投げま っくた。今、思えば馬鹿なことをやってたと反省しきりであるが、他の場所でピンには 入っていたのだから取れなく当たり前だが、当然?ベケである。 でも、その途中で自分なりには、仮説が成り立っていた。それは、天気である。 メチャいい天気になってきたのである。 これなら、初期にスポーニングを終えて回復しかかっている デカバス(長さで)がフィーディングに入って来てもおかしくない筈である。(それまでが寒かったんですから) そこで、ノーバイトで通過した中里に再度戻り、今度は広範囲に早めに探りを入れることにした。 15分くらいしたところでバイトがあったが、あとが続かない。食い込みを浅いような気がした。 杭廻りを打って見たが、全く反応はない。 無駄に時間が過ぎて行く。 そんな時に鯉釣りおじさんの竿が並んだすぐ横の水門が目に入った。引っかけたら殺されちゃうかも しれないが、真っ直ぐ投げ続ける自信はあった。 投げてみた。 なんにも存在しない泥のツルツルな のだが、数投でバイトがでた。 フッキングしたが、直ぐにすっぽ抜けた。 ワームをズームのカーリーテールにチェンジした。 またバイト。今度はフックアップしたが小さい700グラム。 その後、たて続け6〜7本釣ったところでギブアップ。トーナメントプランおよび結果は、 まるでダメでした。 実力では、市塚さん(兄)の圧勝であった。やっぱり、市塚ブラザースは凄すぎる!!! 今回のメインリグを紹介します リグ :ヘビキャロ(ナツメ8号) ライン : PE25ポンド フック : ガマカツ300(2/0,1/0,1) ガマカツ39(3,4) リーダ : フロロ8ポンドまたはナイロン10ポンド(場合により使い分け) ルアー : GARY JUMBO−GRUB ウォーターメロンシード(149???) GARY SUPER−GRUB ウォーターメロンシード(149???) GARY GRUB ウォーターメロンシード ZOOM CURRY−TAIL SEEDLESSウォーターメロン ROBOWORM リーチ パープルウィニー 去年は在庫となってしまっていたカーリーテールが良かった。